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1.漢方とはどのような医学ですか?、2.漢方薬はどのような薬ですか?、3.どのような診療をしますか?

[2020.06.14]

こんにちは、院長の室賀です。なぜ私が漢方を得意としているかをまずお伝えしたいと思います。私は祖父の代から続く漢方医の家に生まれ、生まれる前から?生薬の匂いの中で育ち、内科医になってからは当たり前のように漢方治療も行うようになりました。当院には漢方治療を希望してこられる方も多く、風邪などの症状に対して、漢方をうまく使うと早く良くなることがあります。でも、まだまだ 「えっ、漢方?」という方も多いので、漢方がどのようなものか皆様にご理解いただきたく、このシリーズを始めました。お時間のあるときにご一読ください。

〜項目〜
1. 漢方とはどのような医学ですか
2. 漢方薬はどのような薬ですか?
3. どのような診察をするのですか?
4. 保険は効きますか?
5. 漢方は長く飲まないと効かないのですか?
6. エキス剤と煎じ薬の違いはありますか?
7. 副作用はありますか?
8. 漢方が得意な分野と苦手な分野はあります?
9. 漢方薬を飲むタイミングは?
10.子供は飲めますか?

では、今回は初めの3つをご紹介いたします。

 

1. 漢方とはどのような医学ですか?

 今から2200年以上昔に、中国で体系化された医療です。日本では、奈良時代には中国から伝来していたと思われます。そして長い歴史の中で、日本式の診察方法や治療方法が育まれてきました。昔からの診察方法や治療方法で、植物や鉱物、動物の骨などの生薬を用いた処方で治療します。西洋医学が、病気の原因を臓器別、細胞、遺伝子とどんどんミクロの世界に進んでいきますが、漢方は自覚症状や脈、舌の状態、お腹を触った感触から体全体の乱れを考えて、いわばマクロ的な見方で治療を考えていきます。そのため、漢方では「インフルエンザ」や「不眠症」のように病名で処方が決まるのではなく、体調が悪くなる原因とそれぞれの体の反応を考えて処方しますので、同じ症状の方が同じ処方を用いるとは限りません。逆に一つの処方でも様々な症状に対応できるということです。例えば、有名な「葛根湯」は風邪の代表的処方ですが、肩こりや蕁麻疹、結膜炎などにも使うことがあるのです。

そして、漢方治療は長くかかるイメージがあるかもしれません。でも、それもちょっと違うのです。その人のその時のその症状にフィットした薬に出会えると、驚くほど早く症状が軽減します。例えば、鼻水や咳がぴたりと止まったり、脚の痙攣やつりが楽になったり。漢方はなんとなく馴染みにくいイメージだったかもしれませんが、意外と身近な医療だと思いませんか?

 

2. 漢方薬はどのような薬ですか?

西洋薬が、有効成分を抽出して製品化しているのに対し、漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られているのが特徴です。生薬には様々な植物由来のものが多数ありますが、中には蝉の抜け殻のような動物性の生薬やマンモスなどの化石石膏などの鉱物使うことがあります(なんだか子供の頃に眺めていた図鑑を思い浮かべるかもしれませんね)      漢方薬の処方で有名なものに「葛根湯」がありますが、この中には葛根(クズ)、桂枝(ニッケ・シナモン)、大棗(ナツメ・デーツ)、芍薬、甘草、麻黄という7種類の生薬が入っています。面白いことに各生薬の中の有効成分だけを抽出して組み合わせても、葛根湯と同じ働きにはならないそうです。本来は煎じ薬ですので、混ぜ合わせた生薬をゴトゴト煮出して、温かいうちに飲みます。でも、今はエキス剤が主流ですので、1回分がパッケージされて飲みやすくなっています。エキス剤も白湯で飲むようにした方が効果が出やすいようです。ただし、漢方薬は一つの処方でもその中にはいくつもの生薬が入っているので、複数の漢方薬を同時に飲むときはは、中身の重複に留意しなくてはなりません。西洋医学の感覚で症状ごとに漢方薬を何種類も同時に飲んでしまうと、成分が重なったことで危険な場合もあります。そういう面からも、漢方に精通している医師の元で処方してもらうことをお勧めしています。 

 

3. どのような診察をしますか?

 漢方の診察方法は四診と言います。患者さんの様子を見て(視診)、呼吸音や腸の音を参考にし(聞診)、病状などを質問し(問診)、脈やお腹を触って(切診)診断を下します。西洋医学の診断方法と大きな違いはありませんが、その所見の取り方が違います。漢方が成立したのは今から2000年以上昔です。ですから、今のような聴診器はありませんし、尿検査は勿論、採血やレントゲンなどはありませんでした。つまり、人間の五感を使った診察方法が発達したのです。つまり、人間の感覚である視覚、聴覚、嗅覚、触覚を用いて診察します(患者さんの味覚も参考にすることがあります)。

 もう少し具体的にお話しします。視診は顔色や体格だけでなく、舌の形態や苔の色や厚さ、歯形がついているか、裏側の静脈の腫れがあるかなどを見ます。聞診は呼吸音、腸の動く音などを、嗅覚は口臭、便臭などを確認します。触診は、まず脈の状態をみます。単に脈拍数や不整脈だけではなく、脈の強弱、触れやすさ、太さなどをみます。また、お腹の張り具合や押したときにどこに違和感や痛みがあるか、皮膚温やカサツキがあるかなど、西洋医学とは異なる所見を集めます。 

 問診は、まずいつからどのような症状があるかを伺います。その他、食欲や睡眠、便通、排尿状態、冷えやほてり(女性は生理の状態も)、こりや痛み、頭痛やめまいなど、一見いらした病気と関係ないことまで伺います。

 これらの情報を元に、東洋医学独自の診断を下して処方を決定します。初めての方は、治してほしい病気と一見関係ないことをいろいろ聞かれた上にお腹を触られると、違和感を感じられるかもしれませんね。この診察方法は日本で発達した漢方の診察方法です。中国式で勉強してきた先生は、脈と舌の診察が主になりますので、担当の先生によって、診察方法が異なることがあります。

 

 

 

 

 

 

4. 保険は効きますか?

 基本的に保険適応です。日頃皆さんが使われるエキス製剤は、健康保険で処方することが可能です。煎じ薬も、日常用いる処方は殆どが健康保険で処方が可能です。しかし、処方の種類によっては保険が適応出来ない生薬を用いないと組み立てられない処方もあります。その場合は、その生薬を入れないでお出しするか、代用できる生薬を用います。どうしても必要な生薬の場合は、ご相談させて頂く事もあります。また、ご希望の方には、完全な自費による診療も行わせていただきます。ご相談ください。

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