インフルエンザについて
どんな病気?
普通の風邪に比べ急速に発症し、高熱や倦怠感などの全身症状が強い病気です。小児、高齢者では合併症により死亡するケースもあります(死亡率は高齢者層が最も高い)。
どうして起きる?
インフルエンザウイルスによる感染症で、我が国では毎年冬から春先にかけて、主に飛沫・接触感染により流行します。
どんな症状がある?
発熱(38℃以上)、悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などを認めます。
また、軽快したにもかかわらず、倦怠感や意欲低下などが残る場合もあります(インフルエンザ後症候群)。
どんな種類がある?
インフルエンザウイルスは、オルソミクソウイルス科に属する一本鎖RNAウイルスです。ウイルス粒子内の核タンパク複合体の抗原性の違いから、A型、B型、C型に分類され、このうちA型がヒトのインフルエンザとして大流行を起こします。C型は発症しても軽症で、ほとんど流行しません。
合併症は?
合併症としては、高齢者(主に65歳以上)では肺炎、小児(主に5歳以下)ではインフルエンザ脳症があり、予後は不良です。
高齢者および心疾患や肺疾患、腎疾患などの基礎疾患をもつハイリスク群がインフルエンザに罹患すると、重症化により死に至ることもまれではありません。インフルエンザ流行時には明らかに死亡率が高くなります。
どうやってわかる?
主に抗原迅速診断を用いて検査します。患者さんの鼻腔、咽頭を拭いた液を用いて行う酵素免疫測定法で15〜25分程度で診断が可能になります。
どうやって治す?
解熱の際、小児ではインフルエンザ脳症やライ病のリスクを考慮し、NSAIDs(アスピリンやジクロフェナク)の使用は避け、アセトアミノフェンを用います。
予防法は?
マスクや手洗いを心がけ、人ごみや集団を避けることも有用な予防法です。
また、インフルエンザワクチンの予防投与を行っております。