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高尿酸血症・痛風について

どんな病気?

性別・年齢を問わず、血清中の尿酸溶解濃度である7.0mg/dLを超えるものを高尿酸血症と定義します。痛風は、関節内に析出し固まった尿酸塩結晶が関節腔に脱落して炎症が生じ、激烈な痛みを伴う急性関節炎発作を主症状とする症候群です。30~50歳代の男性に発症することが多い疾患です。

どうして起きる?

(1)高尿酸血症

尿酸は、遺伝子の構成成分であり、エネルギー源として常に体内に存在します。ですから、尿酸は常に一定量体内に存在しますが、産生が亢進した場合や排泄能が低下した時に尿酸値が高くなります。高尿酸血症の発症には、遺伝的要因に加え、環境因子も強く影響します。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合併することが多く、虚血性心疾患や脳血管障害の発症率も高めていると考えられています。尿酸値が7.0mg/dL以下であっても、上昇するにつれて生活習慣病のリスクも高くなります。特に女性では、血清尿酸値の低い段階からその傾向が著しく、注意が必要になります。

(2)痛風(急性関節炎発作の病態)

高尿酸血症を放置すると飽和状態になった血中尿酸が関節腔内に移行し、結晶化することで痛風を起こします。尿酸は低温や血液のpHが下がる場合に結晶が析出しやすくなります。痛風発作は、関節腔内に脱落した尿酸結晶を貪食するため多形核白血球が浸潤し、白血球膜が破れ化学伝達物質などが遊離し関節炎を起こします。同時に関節腔内で乳酸産生が高まるためpHが酸性に傾き、さらに尿酸沈着を促進させます。

どんな症状がある?

高尿酸血症は無症状ですが、放置すると痛風関節炎が頻発し、痛風になってしまいます。痛風では、特に第1中足趾節関節部に激痛・発赤・腫脹が有名な症状ですが、他にも痛風結節や腎障害(痛風腎)も発症します。これらは高尿酸血症が長期間持続することにより引き起こされます。

関節炎の症状は数日〜1週間程度で軽快します。しかし、痛風結節では軟骨や腱などに慢性的に尿酸結晶が析出ししこりとなったもので、感染や神経の圧迫を起こすこともあります。

どうやって治す?

(1)高尿酸血症
a.生活指導

過食、高プリン体食・高脂肪食・高タンパク食、飲酒、運動不足などの生活習慣を改善します。また、尿酸の排泄を促すために水分をこまめに取りましょう(1日1.5L目安)。当院では、管理栄養士による栄養指導も行っております。

b.薬物療法

血清尿酸値 8.0 mg/dL以上が一般的に薬物療法の適応になります。

(2) 痛風関節炎

激しい疼痛を除去し、患者のQOLを改善することを目的とします。痛風発作中は患部を冷やして安静に保ち、禁酒します。発作時には尿酸降下薬は開始しません。薬物療法では、コルヒチン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、副腎皮質ステロイド性薬を用います。

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