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コロナウィルス抗体検査について

[2021.06.20]

オペラシティクリニック院長の室賀です。
最近、当院ではコロナウィルスの抗体検査を希望される方が増えています。
その理由の多くは、「ワクチン接種前に自分はコロナの抗体を持っているのかどうかを確認したい」となっています。
何故そのように思うのか更に伺ってみると、「年末にひいた風邪が、もしかしたらコロナだったのではないかと気になっている」「先月PCR検査を受けたけれど陰性だった。ワクチン接種前にもう一度確認したい」などなど。
 そして実際に検査を受けられた方で、IgG抗体が陽性、つまり感染したことを示す状態の方もいらっしゃいました。
「あぁ、やはりあの時の症状はコロナだったのですね」とご本人は驚きつつ納得なさる場面も。
では、この方達はコロナワクチンを打った方がいいのでしょうか?打たなくてよいのでしょうか?
アメリカの権威ある雑誌、「New England Journal of Medicine」の「コロナウィルス特集(2021/5/24更新)」を読むと、既に感染した人(抗体のある人)に対しても接種を推奨しています。
それによると、
1)コロナ感染時にモノクローナル抗体療法や血清療法を受けた人は、90日間はワクチンを打つと抗体価が下がるのでその間は接種しない。
2)ワクチンは2回接種とされている中、免疫学者の間でも未だそこはコンセンサスができていないが、今は抗体があっても2回の接種を推奨となっている。

まとめると、
① コロナにかかったが、自宅やホテル療養で症状が改善した方は、いつでも接種できるが、入院加療してモノクローナル抗体療法や血清療法を受けた方は90日の接種不可期間がある。
② 抗体があっても2回の接種を現状では推奨している。
ということだと思います。
(1回の接種で抗体が期待できるワクチンも出来ていますが、日本では現在承認されていません。)

ただし、「抗体があるので打つ・打たない」含め、接種の可否はご本人の判断によるものだと考えます。
コロナは、いまだ未知な部分の多い感染症であり、予防も治療も手探りだと医師である私も日々痛感しています。

2021/6/20

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