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基礎疾患とは? ~コロナウィルスワクチン接種を前にして~

[2021.03.28]

オペラシティクリニック院長の室賀です。
コロナウィルスワクチンの接種が始まりました。
 私を含め、「早く打ちたい」とお思いの方も多くおられると思います。
厚労省が提示するワクチンの優先接種をする条件に「基礎疾患のある方」という一言があります。お恥ずかしながら、私も漠然としたイメージを持っていましたので調べてみました。
 厚生労働省のHPによりますと、新型インフルエンザの時の考えを基本として議論されているようです。2021年3月18日付けの資料には以下のように記載されています。

1:以下の病気や状態の方で、通院/入院している方

①慢性の呼吸器の病気 
②慢性の心臓病(高血圧を含む)
③慢性の腎臓病
④慢性の肝臓病(肝硬変等)
⑤インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病または他の病気を併発している糖尿病
⑥血液の病気(ただし鉄欠乏性貧血は除く)
⑦免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
⑧ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
⑨免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
⑩神経疾患や心経筋疾患が原因で身体機能が衰えた状態(呼吸障害等)
⑪染色体異常
⑫重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
⑬睡眠時無呼吸症候群 
⑭重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又 は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持 している場合)

2:基準(BMI30以上)を満たす肥満の方

以上を「基礎疾患のある方」としています。

分かりやすく補足説明を致しますと、
① コロナウィルス感染症は肺炎を起こしますので、元々肺の病気のある方
② 動脈硬化があるとコロナ罹患で血栓症を起こしやすいようですので、高血圧や糖尿病、腎臓病など動脈硬化を起こしやすい病気の方
③ ステロイド剤などの治療や基礎疾患で免疫力が低下した状態にある方
などが優先接種の対象となります。
(しかし、3月現在は痛風やステロイド等を使っていないアトピー性皮膚炎などは候補に入らないようです。)

 当面は上記の基準を満たした方が優先されるようですので「基礎疾患」をお持ちの方は、定期的に受診している病院の「かかりつけ医」とよく相談して、接種をして頂きたいと思います。

※厚生労働省資料改定に基づき、一部内容を加筆訂正しました (2021/4/3)

⇒厚生労働省資料はこちらから

⇒関連ブログ「コロナウイルス抗体検査について」はこちらから

⇒関連ブログ「コロナ後遺症と漢方<2>

最近、こちらの内容に関して当院へお電話でのお問い合わせが増えております。

「自分は基礎疾患に当てはまるのか?」「自分の病状で接種ができるのか?」など、受付ではお返事できないお問い合わせが多くなっております。当院は医師1人で診療をしている小さなクリニックなので私が随時対応することはできません。大変恐縮ですが、お電話での問い合わせはお控え下さいますようお願い申し上げます。もしご相談をご希望の場合は、オンライン診療からお申込み下さい。ご理解とご協力の程、宜しくお願い致します。  2021/5/28 院長

室賀一宏

オペラシティクリニック院長

日本東洋医学会漢方専門医。

東京医科⻭科大学院卒。ʼ08年〜ʼ19年 同大准教授、日本大講師を歴任。 

 30年間、救急医療を主とする病院の 腎臓内科・一般内科に勤務し、2017年 10月より現職。真摯に患者と向き合い、 個々に合わせた最善の診療を心掛ける。 患者アンケートでも高評価を受け、 前職場にて今も続ける漢方外来は3ヶ月の 予約待ち。著書(共著)に『漢方内科・(腎・泌尿器疾患)』、 『スキルアップのための漢方相談ガイド』 など。 

 

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