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コロナ後遺症(long COVID)と漢方 (2022年7月10日更新)

[2022.05.08]

オペラシティクリニックの院長・漢方専門医の室賀です。

2022年1月から始まったオミクロン株によるコロナウィルスの流行も、6月になりようやく落ち着きを見せてきました。しかし7月になり、また感染者数が増加しています。(7月10日現在)        今までは、ワクチン接種が進んだおかげで、殆ど症状が出ないまま治癒される方もおられました。しかし、今回のオミクロン株の変異型は、ワクチンを3回打たれていても感染する方が多い様です。さらに症状が軽度だったからと言って後遺症がでないとは限らないのが現状です。マスコミでも報道されているような、疲労感やブレインフォグと言われる思考力の低下、脱毛、味覚・嗅覚障害などのコロナウィルス感染の後遺症で来院される方が増えています。また、隔離期間終了直後に無理をして、疲労感などが悪化する方も見られます。
これらの症状は、西洋医学ではなかなか上手く対処できない症状です。勿論、漢方であれば必ずよくなるものではありませんが、少なくとも対処方法は様々考えられます。
食欲低下や倦怠感は、漢方の考え方では脾虚(ひきょ)と言い、元気を作り出す元の脾の働きが低下しているために起きると考えます。脱毛やブレインフォグは体中にエネルギーを運ぶ血(けつ)が不足している(血虚・けっきょ)ために生じると考えて対応します。味覚・嗅覚障害も、味覚や嗅覚を感じる神経の異常ですので、炎症を起こした周囲の血流改善(瘀血・おけつ)や浮腫(水毒・すいどく)を軽減させる処方を用いてみます。しんどく感じたら早めの受診をお勧めします。
脾虚の代表的な処方は、補中益気湯や六君子湯。血虚は四物湯を含む十全大補湯や人参養栄湯など、血流や浮腫を改善する処方は、当帰芍薬散などがあります。
漢方治療はオーダーメードですので、各個人の症状と状態に合わせて処方を検討して治療します。
そして、最初は少し大変でも、可能でしたら生薬を煮出す煎じ薬(保険適応)を使われるとより治療効果が期待できます。

漢方治療をご希望の方は、一般診療:漢方内科よりご予約下さい。
基本的には初診の患者様には来院をお願いしておりますが、オンライン診療をご希望の場合には事前にお電話をお願い致します。(03-5353-7100)

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