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「コロナウィルス感染予防に補中益気湯」のCMを見て

[2021.01.31]

こんにちは。オペラシティクリニック院長の室賀一宏です。

 コロナウィルスの流行は波の大きさを変えつつも、今現在、まだ収束が見えていません。やっと待望のワクチンの接種が視野に入ってきましたが、まずは元気な体を維持することが一番大切です。

 そんな中、「補中益気湯を飲んでコロナウィルス感染を予防しよう」というテレビコマーシャルを最近見かけました。コロナウィルスの感染は我々は初体験ですし、「明らかに補中益気湯を飲んでいるとコロナウィルスにかかりにくい」というデータをまだ私は知りません。

 しかし、以前から虚弱体質の方に補中益気湯はよく使われてきました。

それを裏付ける一つとして過去にある報告では、「新型インフルエンザ大流行の時に老人ホームで補中益気湯を内服した群と内服しなかった群とでインフルエンザの発症数を比較したところ、内服していた人たちの群に感染者数が明らかに少なかった」という報告があります。

また、「肺疾患を持っている方に補中益気湯を飲んでいただくと、飲んでいなかった方々に比べて風邪をひきにくかった」というデータもあります。さらに実験レベルですが、「気道粘膜免疫系を賦活化する作用」も確認されています。

補中益気湯は「(体の)中を補い、気(元気)を益すお薬」という意味です。本当に新型コロナウィルスへの予防効果があればいいですね。実は、私自身も30年来の愛用者です(でも、5~6年ごとにインフルエンザになっていますが)。コロナウィルスに負けない体になったらいいなと念じながら、夜な夜な補中益気湯を飲み、日々の診療にあたっています。

室賀一宏

オペラシティクリニック院長

日本東洋医学会漢方専門医。

東京医科⻭科大学院卒。ʼ08年〜ʼ19年 同大准教授、日本大講師を歴任。 

 30年間、救急医療を主とする病院の 腎臓内科・一般内科に勤務し、2017年 10月より現職。真摯に患者と向き合い、 個々に合わせた最善の診療を心掛ける。 患者アンケートでも高評価を受け、 前職場にて今も続ける漢方外来は3ヶ月の 予約待ち。著書(共著)に『漢方内科・(腎・泌尿器疾患)』、 『スキルアップのための漢方相談ガイド』 など。 

 

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