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「熱中症対策を漢方で」というチョイス

[2020.08.20]

こんにちは。院長の室賀です。
今年はいきなり酷暑が始まりました。暑くなると冷たい飲み物が手放せなくなりますね。「外から帰ってきて、涼しい部屋で、冷えた麦茶をガブガブ飲んでいたら、なんだか食欲が落ちてきた・・・」なんて経験、皆さんありませんか?
でも、ちょっと待ってください。最近、コンビニでもあえてペットボトルが「常温」販売されているのはなぜなのでしょう?常温だとガブガブは飲めませんよね。これは漢方医としては「よしよし」と嬉しくなる話なのです。
なぜなら漢方の考え方では、『胃は暖かく乾いた状態が好き』
ですから夏場の胃腸の調子を整えるためには、特に冷飲食には気を付けることが大切です。

屋外や蒸し暑い室内での作業、テーマパークで夢中に遊んだり、炎天下でのゴルフ、渋滞にはまった車内でじっとしているなど、この時期は、体に熱がこもって熱中症になる危険性があちこちに潜んでいます。
漢方では熱中症を『暑邪』と言い、熱による体調不良をいいます。
暑邪の治療は、漢方の得意分野の一つ。
患者様それぞれ体の乾燥具合を拝見し、処方を決めていきます。
どのような処方治療をするのかについて代表格をいくつかお話ししましょう。

 ①<白虎加人参湯を処方するケース>
体に熱がこもってしまい、真っ赤な顔をして、喉や口の渇きがとても強いときには、「白虎加人参湯」(びゃっこかにんじんとう)を使います。この薬は、体から熱を除く石膏を含んでおり同時に潤いを体に与える働きがあります。屋外で働くことの多い職人さんに、「白虎加人参湯」をお昼に飲んで頂いたところ、体が涼しくなり、午後も元気に仕事が出来たと喜ばれたことがあります。
 ②<五苓散を処方するケース>
口の渇きや頭痛、吐き気、嘔吐がみられるときには「五苓散」を用います。五苓散は気象病にも使われますが、体内の水分バランスを整えるミラクルな代表的処方です。更に食欲が低下した時は、「平胃散」と「五苓散」が合わさった「胃苓湯」(いれいとう)を用いることもあります
 ③<藿香正気散を処方するケース>
もう少し症状が軽いときは「藿香正気散」(かっこうしょうきさん)もいいでしょう。江戸時代には、宿場で旅人に藿香正気散を振る舞ったそうです。藿香正気散のオリジナル処方に「不換金正気散」があり、水戸光圀が漫遊時に印籠にこの薬を入れていたそうです。熱中症の症状だけでなく、夏の急性胃腸炎、お腹を冷やしたときの下痢などにも使える万能薬です。中国でも夏に広く使われているそうです。(残念ながら、煎じ薬のみ保険適応です。)
④<補注益気湯や清暑益気湯を処方するケース>
暑さで疲れが残ってしまい元気が出ない、食欲が落ちてしまった、秋になっても夏の疲れがとれない、と言うときには『補中益気湯』(ほちゅうえっきとう)でもいいのですが、より潤す力の強い『清暑益気湯』(せいしょえっきとう)を使う場合がよくあります。昔、ある漢方の大家の先生が柔道部の後輩に使ったところ夏の大会で優勝した、と嬉しそうに話されていました。今ならドーピングですよね。私も日頃は補中益気湯ですが、夏は清暑益気湯を愛飲しています。
皆さんも、漢方を上手く使って、夏を乗り切りましょう!
(当院の漢方薬は基本保険適応となります)

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